2011年6月20日月曜日

未科学空間をつくる

前期のテーマ:「未科学空間をつくる」

『科学と宗教が対立していた19世紀、まだ地球が平らだと信じていた人々の間では多くの事物や現象は非科学的な方法で語られ、身の回りにある具体的なモノの寄せ集めによって世界を理解していた。その後の科学の発展により様々な事柄が証明され、我々の想像力や思考方法においても、目には見えないかたちや抽象的な対象を扱うようになった。しかしながら、いまだに不可解な事象を目の当たりにすると、再び非科学的な思考や表現に依存することが多々ある。その反面、多くの事柄が抽象的に語られることにより、具体的な事物は当たり前すぎるためにブラックボックス化しつつある。』(建築工作ゼミ2011/シラバス概要より)

科学における客観性、論理性、再現性(あるいは懐疑的姿勢)では解決つかない領域を探し出し空間化する。あるいは、科学的ではない方法によって解決される(意思決定される)空間をつくる。
オカルトのような非科学的スタンスというわけではないが、古来の神話や宗教(あるいは芸術も含む)のような空間かもしれない。この場合、神話や宗教は懐疑的な科学に対して信仰的であり、時として主観的、直感的、またはオブセッシブであるかもしれない。本当であるかどうか科学的検証/論理的検証がなされる前に(疑われる前に)、受け入れられる空間をつくる。


美しい表現
「美しいものをつくる(美しいとされるものを使ってつくる)」ではなく、「美しくつくる(〜を美しくつくる)」。
食べ物なら、「おいしいものを食べる」のではなく「おいしく食べる」、あるいは「おいしいものを料理する」のではなく「〜をよりおいしくなるように料理する」という感じ。


建築に内包される空間
建築においては、建物(壁、床、屋根など)というハードウェアによって空間が仕切られ包まれる。ハードウェアというよりも、内包される空間(人々のアクティビティやライフスタイルなど)をデザインする。


間(空間)のエクササイズ
「なにもない」状態を表現する。
どのような手段で表現方法を可能にするか?どのような状況で成立するか?も考える。
例:
・アクセス可能なアドレスはあるがコンテンツのない(白紙)Webサイト
・入力機器が接続されていないプロジェクターが映し出す青画面
・ポンプは動いているが魚のいない水槽(水草マニア?)
・ピラミッド(墓)の出口
・冷蔵庫の中の空の卵パック
・プラネタリウムの夕方から夜に変わる瞬間の暗闇
など。


引き続き「日常」的な場面(自分の家/部屋)や身の回りの事物をきっかけにエクササイズならびに制作を継続していきます。
各自のブログには、制作経過や制作結果またはメモなど継続的に投稿していって下さい。後半はブログ自体も実験的なマテリアルとして利用して行く予定です。

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